Description
1960年代に入りますと機械時計メーカーに取っては大きな変革の波が押し寄せます。 1960年代の後期にアメリカのハミルトン社やブローバ社が電池を動力源として新たな機械の開発に始まり、それらの完成形として水晶振動子内臓の電子回路部品を中心とした電池時計いわゆるクォーツ時計が今までの根底を覆すべく大きな“変革”として新しいムーブメントの主流として世界中の時計業界を席巻してゆきました。もちろん画期的な精度を生む電池時計を受け入れながら、これからの時計作りをどのように進めて行くかは各社共通の大きな懸案事項ではありましたがある一定の恐怖は感じながらそれを横目で見ながら一流機械時計製造メーカーは怯むことなく機械時計のこれまでの歩みを止めることなく製造を続けてゆきました。と云いましてもその存在を十分受け止めながら機械式時計の製造をどのように続けるかは当然電池時計の進化を意識しながら歩まざる得ない現実であった事は間違いありません。 当初の電池時計は全てに於いて大型の機械でした。ですので自ずと機械時計の当時の基盤軸としてはかなり薄型化した手巻き時計と実用化が定着した自動巻き製造といった状況でしたので、当時電池時計には作り得ない薄型の機械の製造に突き進む事が機械時計製造メーカーの生き残る術と見出していたようで、1960年前後に技術的に各社が製造可能な極薄型ムーブメントの開発の足を早める結果となりました。当時、機械=エボシュ製造メーカーとして最も薄型を製造する技術に優れていたジャガールクルト社を軸に各社がより薄型へとシフトして行きました。 その開発の競争の結果としてこれまでの秒針を装備していた機械式時計が1960年代中葉期以降に一気により薄くする工夫として2針(時針と分針)といった仕様で秒針を排除し機械式時計の薄型化が進みました。 ある意味ケースの素材もこれまでの物に比べるとコスト削減となる点も薄型機械時計のメリットでもあったと思われます。 当然薄型のキャリバー開発は当時の機械時計製造メーカーの技術力の証でもありましたがこのような背景もあり電池時計の初期の段階での電池式水晶振動子搭載のクォーツムーブメントと対抗する形で薄型の時計が機械式時計の素晴らしさをアピールする上では大切なアドバンテージポイントであったことは間違いありません。 このような背景でパテック社においても2針の時計は1960年代から1970年代に掛けて多く作られました。パテックフィリップ社の自動巻きセカンドキャリバーの27-460の文字盤デザインがとてもシンプルなインデックスと針の組み合わせであるのはもしかすると手巻き式キャリバーの薄型化に合わせて薄型化の写し鏡として文字盤のデザインがシンプルになったのではないかと思います。 これは当時他社においても見られる傾向でロレックス社も1965年以降から文字盤が画一的なシンプルなデザインに変更になった事もあながち無関係とは云えない事かと思います。
さてパテックフィリップ社の製造キャリバーに於きましてはそこまで限りなく薄型に固執した訳では有りませんが、薄型の2針時計という点では時計業界全体の時世の流れに沿ったモデルを製造しておりました。ここでご紹介しますこの時計も正にその年代のもので18金ホワイトゴールドの丸型でラグもとてもシンプルな形状となったキャリバー23-300 PMで同キャリバーの最終モデルで今までのキャリバーのヒゲ持ち受けが可動式に組み換えられた物となっており、ジャイロマックスバランス搭載の2針の手巻き時計となります。 文字盤はこの時代に流行りましたコバルトブルー仕様となっておりデザイン的にはシンプルその物と云えます。 僅かに文字盤に凹凸痕がは見られますが当時のままのでケースも使用傷はありますが大きなダメージの無いとても良い状態となっております。バックルは同社のオリジナルではありますがステンレススチール製の物となっております。









