説明
ヴァンクリーフアーペル社はフランスのメゾンと呼ばれる５大宝飾店とそれに準ずるカルティエという正に当時の高校貴族を顧客に持っていたフランス宝飾界を支えた王道を築いたレジェンドショップの一つですが、その中でカルティエ社を筆頭に時計をいち早く自社製品に組み入れた老舗宝飾店の一つとなります。 カルティエ社においては正にジャガールクルトの創始者の一人であるエドモンド・イエーガー氏と共同出資で１９００年代初頭、パリに工房を作り自社で製造を始めた先駆者的存在で未だに多くの名品と呼ばれる沢山の時計を産み出した第一人者的な存在ですが、１９０６年創業のVan Cleef Arｐels社は１９３０年代には早くも時計を自社製品として販売しておりました。決して多くの時計を販売した訳では有りませんが、既に充分成熟していたスイス有名時計メーカーの手を借りながら、自社でデザインを起こし
オリジナルデザインのショップウォッチを手掛けており、今日でもアーカイブが残されています。 ５大宝飾店の中では、ヴァンクリーフアーペル社、ブシュロン社は比較的早めに時計を製品化していたようです。
この時計は１９５５年、多数の高級時計の製造に携わったルネ・バンヴァルト氏によって設立され、船の識別フラッグを文字盤に配したアドミラルウォッチが世界的な支持を得て、一躍有名ブランドメーカーに仲間入りしたコルム社とのコラボによって作られた手巻時計です。 コルム社は他にコインウォッチ、ゴールドのインゴットをモチーフにした時計も製造して人気がありましたが、この時計は所謂ゴールドの塊をイメージして作られた物と思われます。 ケースもレクタングラー（長方形）スタイルの角を解けて固まったままかのように仕上げ、文字盤も溶かしたゴールドが板状に固まったかのようなデザインとなっております。 かなりゴールドの素材の持つ造形を表現した形となっております。 ゴールドジュエリーを手掛けるヴァンクリーフアーペル社ならではモチーフなのかも知れません。 ゴールドの自然な味わいを生かしたユニークなデザインとなっております。 大きなダメージの無いとても良いコンディションとなっております。 ヴァンクリフ社のボックス付きとなっております。
