Description
1950年代初頭よりティファニー社はロレックス社の時計の販売を始め、古くはバブルバックモデルもティファニー社とのWネームモデルが存在しておりました。1994年にロレックス社とティファニー社の間の契約が切れ、残念ながらロレックス社の時計がティファニー社の店頭から消えました。約40年間に亘る販売を中止した背景にはティファニー社側の高級自社モデルの販売促進、又、時を同じくしてアメリカ市場においても新たな販売代理店契約の見直しと、ティファニー社に対してのロレックス社側からの要求にお互いの条件が合わなかった点が、契約解除の原因と云われています。事実ティファニー社の時計部門が売り上げのシェアを伸ばして行き、ロレックス社の時計をある時点からティファニー社の自社時計部門で文字盤のプリント加工を手掛けるようになり、針の歪みや、不具合発生率が増え、ロレックス社側から改善要求が出ていたのも背景にあると云われています。何れにせよ、時計愛好家の人気モデルが販売される事は残念ながら無くなって仕舞い、時計本体のシリアル番号的にはN番シリアル(1992年モデル)辺りを最後にロレックス社の時計は店頭から消えてしまいました。 1950年頃よりロレックス社の時計の文字盤にTIFFANY&Co.のプリントが成されるようになりましたが当初はロレックス社側の文字盤下請けメーカーによって文字盤がプリントされ製品としてティファニー社に納品されておりましたのでその時期まではロレックス社側のプリントとティファニー社名のプリントが殆ど同じ色でプリントされてたようです。ですので当時の文字盤はロレックス社の下請けメーカーが数社あった様ですのでティファニー社の提示するフォントがそのメーカーの版によっても若干異なっていたようです。 但し基本フォントは一緒なので年代に因るフォントの違いは年代を示すある程度の目安となっております。但しロレックス社への発注とそれを受ける側のロレックス社の下請け文字盤メーカーとの間でフォント変更時に製造側の時間的都合やまた下請けメーカーの版を制作する時間的なギャップもあったと思われますので必ずしも年代であらゆるモデルが存在する中できちっと製造時に指定フォントで成されたかは疑問に残るところかと思います。 またモデル全体を通してみますと下請け先が違えばフォントの版が若干異なるものがあるのも面白いところかと思います。 総じては年代によってまた文字盤下請けメーカーに因ってフォントが異なるのも紛らわしいところですが面白いところかと思います。 このプリントの変遷は同社のカタログ、広告等で違いが垣間見る事ができます。 但し1980年代の中期頃から先に述べましたようにティファニー社の時計製造部門にてロレックス社の入荷品から文字盤を外してプリントするようになった様で1994年の販売中止までのフォントが全て同じ形式のものとなっています。 またその為かその時期の社名プリントはロレックス社の当時かなり技術力が上がったプリントに比べますとやや滲み等少し雑な感じも否めません。 ですのでその後登場します数々のフェイクプリントと見分けにくいのも悩ましいところでもあります。
【ご検討にあたって】
さてここでご紹介させて頂きましたエンジンターンドベゼル自動巻きデイトモデルは1960年代中期のモデル番号1501のTIFFANY社の為に製造されたデルで大変珍しいシャイニーブルーのモザイクダイヤルです。 先の説明を読んで頂ければフォントプリント形式が特徴的年代の時期のものであり正にこの製造モデルのフォントプリントはその年代のフォント形式と一致するモデルである事がお分かり頂けるかと思います。 今回は同じ年代のティファニー社のカタログより同一のプリントサンプル写真資料もご紹介させて頂きました。 但しロレックス社の時計は文字盤を同モデル系同士で交換も十分可能です。 文字盤仕様が当時のモデルと一致するものであってもそれだけを持って100%当時のそのままのオリジナルである証明は非常に難しいのも事実です。 どうかこの時計にご興味がおありの方はご自身の判断でご検討頂ければ幸いと存じます。









