Description
1832年創業のロンジン社はスイスの老舗中の老舗時計メーカーの一つです。 自社で全ての機械を製造し得るマニュファクチュールと呼ばれる数少ない時計メーカーの一つです。比較的早くから自社工場生産に移行し、当時としての安定的量産ウォッチメーカーでした。 早くから計時機能付きの時計(クロノグラフ)は他社と比べても群を抜いた製造能力を持っており、それは同社の製造品のアーカイブスを見ることが出来る現在では十分納得し得るところです。 特にフィリップ・ヴァン・ホーン・ウィームス、その門下生チャールズ・リンドバーク氏等優秀なパイロットであり軍所属の飛行経験豊かなパイロットからアドバイスを受けたパイロット用ナビゲーション時計は今日でもロンジン社の代表モデルの一つとなっております。 ロンジン社もただ高品質の精度の高い時計を作るだけにとどまらず、装身具として身に着けるものとしての美しさを追い求めたメーカーでもあります。 その証明として正確な計時機能と視認性さえあれば十分な同社のクロノグラフは腕に付ける装身具としての美しささえ併せ持った沢山のモデルが残っており今日見ることができます。
ロンジン社が初めて腕時計にクロノグラフ機能を搭載したのが1913年のキャリバー13”’(13リーニュ)となります。 それから1936年のキャリバー13ZNまではロンジン社が正に同社の最高のキャリバー制作の為、多額のコストをつぎ込んだと言われています。 それ程ロンジン社にとってはメーカーとして、このクロノグラフという精密機械が今後の需要も含めて、且つこれからの時代を支えるあらゆる分野とリンクするメカニズムとしての重要性を感じていたからに他なりません。 それが故にロンジン社のクロノグラフキャリバーのそれぞれの部品は、一つ一つが当時の最高の技術で作られ、繊細な仕上げが施され続けたが故に、最終的にはロンジン社を代表するキャリバーが13ZNと30CHという今日でも非常に高い評価を受けるキャリバーであった事が時計製造史に刻まれております。
この時計は1945年に製造されたストップセコンドフライバッククロノグラフです。 このキャリバーは1929年に開発された12.68Zを改良してクロノグラフ機能を加え1938年に誕生しました。実際のところ当時初期型とはいえ本格的クロノグラフ機能を製造するにはかなりのコストが掛かったようで、このキャリバーはそういった点でいえばアワートータライザー(時間の積算計)は付いておりませんが、スモールセコンド針とは別のセンターセコンド針(白)をプッシャーボタンで0秒にリセットする事が出来、同時に赤いセンターミニッツ針(積算分針)が同じく0セットとなり白い針は経過秒を、赤い針は積算分を表示するような構造となっております。 当時としての簡易なクロノグラフ機能としてあらゆる分野で計測時計として重用されたようです。ケースも使用傷はありますが磨き等痕が見られない状態で文字盤もそれなりの経年変化は見られますが長く使われてきた時間の経過を感じさせる程よい年代のテイスト感のある当時のままのオリジナルコンディションとなっております。









