Description
1957年ロレックス社はキャリバー1030系の後続機種として1500系最初期機種として1530の新規搭載を開始しました。 ところが1530に関しましては殆どクロノメーターの検査において合格するものが無く、急遽開発中のクロノメーターキャリバー1560の開発を1965年から搭載予定を前倒しし1960年に繰り上げました。 ロレックス社の公式キャリバー年表では1965年開発となっておりますが、実際には皆さん良くご存じの人気モデル1016の最初期モデルが1560が搭載されているのでお分かり頂けると思いますが、恐らく1560が早めに完成に至った余波が実は微妙にイレギュラーモデルの開発に繋がったようです。 モデル製造変遷とキャリバー開発変遷を比べて見ますと見えてきますがクロノメーター以外の新規限定モデルに繋がった形跡が窺えます。 まあ簡単に云いますと余ったキャリバーという言い方は適切ではないと思いますがモデル番号で55で始まるモデルに全て落とし込んだ様な跡が窺えます。 リューズガードなしの最終モデル5508、5510、それこそ5512の最初期はノンクロノメーターとして最初期が1530搭載であり、地域限定(イギリス、カナダ、一部アメリカ)モデルの日本においてはボーイズサイズのエクスプローラーとして人気の5500、もう一回り大きい5504のエクスプローラーモデルなどが全て1530の搭載モデルとなります。
このモデルはそうした中で作られたキャリバー1530搭載のエクスプローラープレシジョンまたはスーパープレシジョンモデルの一つとなります。
時期的にはほぼエクスプローラー1 REF.1016の製造時期と同じ為、この5500はミラーサークルダイヤルが最初期、サークル無しのミラーダイヤルがセカンドで後にマットダイヤル仕様と製造が続き、1970年代まで製造されました。 但しマット(艶消し)ダイヤルに関しましては2000年前後に日本のヴィンテージ市場には沢山のいわゆる”上質な書き換え”ダイヤルが出回った為本物である物まで警戒されて現在でもマットダイヤルは厳しい査定対象となっております。 このモデルはラッカーミラー(鏡面光沢)仕上げのミニッツサークル入りの最初期ダイヤルとなります。 最初期が故に文字盤の製造行程に於けます夜光塗料は文字盤に溝が彫られ埋め込みの夜光インデックスとなっております。 このモデルはシルバープリントでSUPER PRECISION 及び サークル内にSWISS MADEとプリントが成されてますが、これはこのダイヤルが恐らく1016用仕様のダイヤル仕様として1016用の版が使われた為、少し小さめの5500用ケースに入れた場合サークル外のSWISS表記がほぼ見えなくなる為に敢えて見える位置に入れなおしたか、このモデルが主にイギリス仕様として作られた為、一時期イギリスの海外輸入品に関しては独自の規定があった様でパテックフィリップの時計でさえも一時期イギリス販売用にはダイヤルボトムにSWISS MADEとプリントされていましたのでその関係でこのモデルにはSWISS表記とSWISS MADE表記のダブルサインとなっているようです。 このダイヤルのボトムのSWISS、 SWISS MADE表記は文字盤製造過程でプリントされますが、実はとても大切な表記でいわゆるホールマークに匹敵する規定があったようです。 年代と共に変遷はありますが未だにスイス製品である証となっております。 *ここまでのご説明でキャリバー1530の変遷及びダイヤルSWISS表記に関しましての考察は私共のあくまでも経験値からの推測でのご説明となりますので、ロレックス社の正規の記述や書物等に因る物ではございません。万一不適切な記述がありましたらお許し下さい。
何れにせよこのモデルは珍しいサークルミラーダイヤルモデルの一つでライトゴールドとシルバープリントの仕様となっており殆どダメージの無い強い光沢感のある文字盤となっております。 ロレックス社の場合プリントの色が違う場合はその仕様(防水性能、クロノメーターか否か)に因って後からプリントを加える工法で文字盤表記と仕様を合わせる手法を取っていたのでそのような文字盤が多々存在致します。ブレスレットも同年代のオイスターリベットブレスレットでクラスプ刻印がビッグロゴと呼ばれる大き目のエンブレム刻印のブレスレットとなっております。









