Description
スイス・シャウハウゼンにアメリカ資本で創設されたインターナショナル社は堅実な時計製造とある意味アメリカ的な量産式製造方法とは違った、スイス式時計製造で世界でも有数の時計メーカーへと成長致しました。1960年代後期の機械時計メーカーを襲った所謂クォーツショック、電池時計が主流となって行く事が徐々に明確となった時期を境に、機械時計をより進化させ続けたメーカーと電池時計にシフトする、または品質を下げてその後の電池式時計の値下がりに対応したメーカーとの差は後の時計メーカーとしての「信頼」に大きな差をもたらしました。 機械時計をひたすら作り続けたメーカーは今日一流のメーカーとしての名声と堅実な伝統を残しております。 インターナショナル社はクォーツショックに対して、自動巻きを進化させ続けたり、インジュニアモデルのように耐磁機能として最高の機能を追い求めたメーカーです。 今日有数の機械式時計メーカーとして評価されているのはそうした積み重ねの結果と云えます。
この時計はインターナショナル社の自動巻きの当時の技術責任者、アルバート・ペラトン氏が開発した独自の自動巻き機構(後にペラトン方式と呼ばれる)の最終モデルの一つです。現在の殆どのメーカーが切替車を使用した巻き上げ方式を採用している機構において、切り替え車の摩耗が将来的に必須であることに対して、アーム巻き上げ方式としたこの機構は同社ならではの優れた自動巻き機構といえます。1956年より製造されたこのキャリバー44はこのペラトン方式を極めて小型化した女性用の自動巻きキャリバーとなります。この時計は18金製ラウンドスタイル自動巻きのボーイズサイズ(28mm径)のモデルとなります。 文字盤はシャンパンゴールドに12時、3時、6時、9時のインデックスのみエンボス鏡面仕上げのトーチ型インデックスとブラックのスティックバトンのプリントのインデックスとなっており針もゴールドのポインテッドスティックバトン針となっております。とてもシンプルなデザインであり且つ繊細な技術を感じさせるとても良いコンディションとなっております。ケースも僅かな使用傷以外はケースエッジもとてもシャープでオリジナルシェープが保たれリューズトップの当時防水モデル(日常生活防水程度)の象徴として魚形状のマークが後世にも引き継がれましたが初期型の通称”シーラカンス”と愛称で呼ばれますマーク入りのリューズとなっております。後にマークが簡略型となりIWC社の防水仕様モデルに今日でも付けられております。全体に当時のままのとても良いオリジナルコンディションとなっております。