Description
ロレックス社の当初からの時計製造のコンセプトは精度の高い安定性のある機械と耐久性を併せ持ったオールマイティーな実用時計でした。1912年に高精度の安定的機械製造メーカーであったエイグラー社と合併してビエンヌに工場を完成させてからは1926年に防水機構であるオイスターケースのパテントを取得し、一気に防水ケース(オイスターケース)のモデルの製造を推し進めて行きました。同時に腕時計という装身具としてのデザインがいかに重要であるかもロレックス社の時計製造においては最重要ポイントとしていたことは、今日伺い知れる数々の名品を見ますと納得できるところであります。今日の完全防水の時計の構造上の礎が1930年代にほぼ完成しており、そこに耐久性を重視した中での機能美を追及して時計が作られていた事が強く伺えます。そうした中で手巻き式防水時計においては、先ずはこの直径が29mm前後の紳士用手巻き時計が主流モデルとなりました。 その後1930年代から1940年代に早くも完成させた防水自動巻きモデル(通称バブルバックと呼ばれる最初期自動巻きモデル)までの間の数年間で、ベーシック防水ケースの形、それに対するデザインとしての文字盤を中心とした針との組み合わせ等ロレックス社のオイスターモデルのベーシックデザインがほぼ固まったと云えます。
この時期に手巻きモデル、ロレックスオイスター、スピードキング、ロイヤル等沢山のオイスター手巻きモデルが世界中で発売されました。
この時計は1940年代中葉に作られた、今日ではボーイズサイズとなりますが、当時の紳士用の定番モデルの一つです。文字盤のデザインとしてはロレックス社の場合夜光塗料をダイヤルに仕様しますと必ず針も夜光塗料仕様となり、逆に夜光塗料の無い文字盤には針も一切夜光塗料を使用しない方式になっておりました。この時計の文字盤は夜光塗料を一切使用しないパターンの文字盤の一つで、小さめの浮き字のゴールドのローマ数字とバトン型インデックスを交互に配したインデックスにゴールド細いリーフ型針にセンターセコンド針にはブルースチールを採用した組み合わせとなっております。若干経年変化は見られますが当時のままのとても良いアンティークテイストに満ちたコンディションとなっております。