Description
オメガ社の歴史において1940年頃に既にかなりの安定製造が出来えるインフラ整備が整い、クロノメーターモデルの開発、48年に自動巻き初期型の完成(3/4回転ハーフローターシステム)、1950年代後期には全回転自動巻きの発売、1957年にクロノグラフスピードマスター、強化防水モデルシーマスター300と時代の推移に合わせた順調な拡大路線を歩んでおりました。 しかし1960年代後期から1970年代に掛けてはスイス時計産業全般に訪れたクォーツショックと呼ばれる機械式時計から電池式時計への転換と今までの時計作りを根底から覆す大変革期に見舞われたのです。 ある意味その変革期をどのように乗り切れたかは一流メーカーとそうでないメーカーのはっきりとした識別となりました。 オメガ社に於いてはキャリバーのクォーツも含めた簡素化と軽量化への転換、時計デザインに於いては大型奇抜化と文字盤の多色化へとシフトが切られました。 そのような中で旧型キャリバーを用いた防水ケースの開発は継続してなされ、ジョイント式リューズ、ワンピースケースの導入で防水性の強化もなされてゆきました。 このシーマスターコスミックはそのような時代背景で生まれた防水ケースの新規モデルの一つです。 このコスミックモデルは自動巻きと手巻き機種が作られ、このモデルは手巻きモデルとなります。 この時期のオメガ社のカレンダークイックチェンジ方式としてリューズ機構が2段引きとなった時間合わせは一段目にリューズを引っ張り上げた状態で行い、2段目の一番外に引き上げて戻す動作でカレンダーパネルが早送りできる構造となっております。この時計は20ミクロンの金張り仕上げでケースエッジに若干メッキが剥離がみられ、リューズもかなりメッキが薄くなっておりますが当時のままのオリジナルコンディションが保たれた状態となっております。