Description
ロレックスは1926年に防水機構であるオイスターケースのパテントを取得して一気に防水ケース(オイスターケース)の製造を開始しました。もちろん今までに培った精度の高い強固な機械製造、装身具として受け入れられる為の文字盤、ケース等のデザインの重要性はロレックス社の時計製造においては最も重要な部分と位置付け開発が行われてゆきました。こうして今日の完全防水の時計の礎が1930年代にほぼ完成していたと云っても過言ではないと思います。 そうした中で手巻き式防水時計においては、先ずはこの直径が29mm前後の紳士用手巻き時計が主流モデルとなりました。 その後1930年代から1940年代に早くも完成させた防水自動巻きモデル(通称バブルバックと呼ばれる最初期自動巻きモデル)までの間の数年間で、ベーシック防水ケースの形、それに対するデザインとしての文字盤を中心とした針との組み合わせ等ロレックス社のオイスターモデルのベーシックデザインがほぼ固まったと云えます。
この時期に手巻きモデル、ロレックスオイスター、スピードキング、ロイヤル等沢山のオイスター手巻きモデルが世界中で発売されました。
この時計は手巻きモデルの中で大き目のモデルとなります。とてもシンプルなアラビア数字のアップライドインデックスにブルースチールのリーフ型針にゴールドのセンターセコンド針との組み合わせでシンプルですがかなり珍しい組み合わせのダイヤルデザインとなります。このREF.4444モデルの特徴は手巻きモデルの中では比較的大き目(32mm径)でケースラグの先端が丸みのあるエッジ仕上げとなっておりベゼルは固定ベゼルでベゼル幅が通常のものより狭くなっておりテーパードされたその斜面は内側に窪んだ美しい曲面となった珍しいケースデザインと云えます。 また、バブルバック用のリューズ装着モデルという点も1940年代ならではとなります。装着されておりますオイスターリベットブレスレットのフラッシュフィット(ブレスレットとケースの繋ぎ目装着用のパーツ)が幅の広いモデル用の物を小さく加工して使われておりますが、他は当時のままで全体にとても良いコンディションとなっております。