Description
1868年、アメリカ・ボストンの時計職人フローレンス・アリオスト・ジョーンズがスイス・シャウハウゼンにアメリカ資本で創設されたインターナショナル社は堅実な時計製造とある意味アメリカ的な量産式製造方法とは違った、スイス式時計製造で世界でも有数の時計メーカーへと成長遂げました。1960年代後期の機械時計メーカーを襲った所謂クォーツショック、電池時計が主流となって行く事が徐々に明らかになった時を境に、機械時計をより進化させ続けたメーカーと電池時計にシフトする、または品質を下げてその後の電池式時計の価格変動に対応したメーカーの差は後の時計メーカーとしての「信頼」に大きく差をもたらしました。 機械時計をひたすら作り続けたメーカーは今日一流のメーカーとして堅実な語りえる伝統を残しております。 インターナショナル社はクォーツショックに対して、自動巻きを進化させ続けたり、インジュニアモデルのように耐磁機能として最高の機能を追い求めたメーカーです。 今日有数の機械式時計メーカーとして評価されているのはそうした積み重ねの結果と云えます。
この時計はインターナショナル社が製造しました手巻き式キャリバーの中で傑作ムーブメントの代表格と言われますキャリバー89搭載で1946年から1986年まで総計217,800個製造されたキャリバー搭載モデルとなります。(通常のキャリバーは継続年数で1万個から3万個が平均) キャリバー88と同年代に製造が始まり88は64年で製造中止になりましたが89は同社でも40年間の長きに亘り安定的に作られたキャリバーとなります。1945年頃からもっとも有名なイギリス空軍用ミリタリーモデル”MARK Ⅺ”用として多数製造された事もその品質の証かと思いますが、このキャリバーは基本的に丈夫な作りとなっており、この基本設計は当時の設計技術者であったR.Puthod氏の設計でパテント申請されたものでした。特徴的には2番車の受けにジュウェルプレートを設けストレスの掛かる2番車の受け石とその受け座を交換できるような設計にしてあります。
ケースも18金製ピンクゴールドケースのとてもシンプル且つ美しいケースデザインとなっており、文字盤も同社らしいポインテッドバトン型インデックスにスティックバトン型の針の組み合わせとなっておりダイヤル外周にミニッツドットマーカーポイントがとても美しいシルエットとなった上品且つ美しい仕上げで全体的にとても良いコンディションとなっております。