Description
スイス・シャウハウゼンにアメリカ資本で創設されたインターナショナル社は堅実な時計製造とある意味アメリカ的な量産式製造方法とは違った、スイス式時計製造で世界でも有数の時計メーカーへと成長致しました。1960年代後期の機械時計メーカーを襲った所謂クォーツショック、電池時計が主流となって行く事が徐々に明確となった時期を境に、機械時計をより進化させ続けたメーカーと電池時計にシフトする、または品質を下げてその後の電池式時計の値下がりに対応したメーカーとの差は後の時計メーカーとしての「信頼」に大きな差をもたらしました。 機械時計をひたすら作り続けたメーカーは今日一流のメーカーとしての名声と堅実な伝統を残しております。 インターナショナル社はクォーツショックに対して、自動巻きを進化させ続けたり、インジュニアモデルのように耐磁機能として最高の機能を追い求めたメーカーです。 今日有数の機械式時計メーカーとして評価されているのはそうした積み重ねの結果と云えます。
この時計はインターナショナル社の自動巻きの当時の技術責任者、アルバート・ペラトン氏が開発した独自の自動巻き機構(後にペラトン方式と呼ばれる)の最終モデルの一つです。現在の殆どのメーカーが切替車を使用した巻き上げ方式を採用している機構において、切り替え車の摩耗が将来的に必須であることに対して、アーム巻き上げ方式としたこの機構は同社ならではの優れた自動巻き機構といえます。
同社紳士用自動巻きの変遷で云えば1950年よりcal.85(cal.81が最初期で85のプロトタイプと呼ばれているがかなり少数製造の為不明)が製造されその後852,853,854と改良を施しながら製造されました。その3桁キャリバーの末尾に1が付くとカレンダー機能付きとなります。このモデルに関して云えば1957年より製造されたキャリバー853搭載のモデルとなります。同キャリバーは1962年まで製造され80,400個製造されたと記録されております。文字盤は同社代表的デザインでエンボス仕上げのポインテッドバトン型インデックスに外周にミニッツドットマーカーと一目で同社の文字盤と分かる文字盤の一つとなっております。針もこの文字盤に通常合わせられるダウフィン型針となっております。残念ながら2時位置外周に僅かな経年変化の変色箇所がございますが、ケースは磨き仕上げされていないエッジのシャープなオリジナルシェープのとても良いコンディションとなっております。また珍しい当時のオリジナルメッシュブレスレット付きとなっております。