Description
カルティエ社はフランスの老舗宝飾店の中でも1800年代の終わりに既に時計を自社製品として商品ラインナップに投入していた点、その後のパリの自社時計工房を設立に至る経緯等その後のスイスの名だたる時計メーカーに決して引けを取らない時計製造史を有するメーカーに近い存在で、1900年代初頭にパリに自社時計製造工房を有し、数々の時計史に残る逸品といえる製品をそのアーカイブに見ることが出来ます。残念ながら1950年代中葉にパリの工房は第二次大戦の惨禍の影響で閉めざる得ない状況となったようです。 然しながら1900年初頭より約50年間、独自の工房によりスイスの一流メーカーに勝るとも劣らない数々の名品を輩出した事は、今日のカルティエの時計のラインアップの礎となっております。
1970年代に入りますと、一度独自の時計制作から離れた事もあり、また、時代の移り変わりも相まって、消費需要の変化、販売戦略の見直し等が余儀なくされ、今までの高級志向を保ちつつもそれらのディフュージョンラインとしてスイスの機械供給メーカーの協力を経て、今までよりロープライスラインを拡充していきました。 その代表格がこのシルバーケースにゴールドプレート仕上げ(Vermeil=ヴェルメイユ)を施したタンクモデルのマストシリーズとなります。 然しながらその初期型のみ手巻きの機械式時計となり、1980年代頃より殆どが電池式(クォーツ)時計となりました。このモデルは初期型の手巻き時計のアイボリーローマンダイヤル仕様となります。 シルバーケースが故に経年変化が見られやすいですが、大きな傷の無い良いコンディションとなっております。