説明
現在では時計分野の中で最高の評価を得るに至ったパテックフィリップ社は、洗練された製造技術力の高さ、装身具としての美しさ、全てに於ける質の高さ等今日に至るまでの同社の弛みない歩みの結晶と云えます。世界中に膨大な愛好者を集めるに至った同社の歴史は１８３９年創業に遡りますが、その道筋は長い歴史の中では決して平たんなものではなかったと言えます。 １９２０年代まではある程度の量を製造する為には意を同じくするエボシュ製造メーカーに支えられるところも大きかったと云えます。
創成期においては６人の職人で年間２００個の懐中時計を製造するのが精いっぱいといったところだったようです。しかしながら常に丁寧な時計作りをしてきた同社の蓄積は、当然技術の最高峰の集積でもあり、その中で製造された時計達は、精度の高さの評価だけではなく造りの良さと装身具としての美しさまで兼ね備えた単に時間を知る為の道具と云うより工芸品と言っても過言ではないタイムピースが多数存在します。 その原点ともいえる古い懐中時計の中にも素晴らしい作品が多数存在致します。 当時の技術者が手によってここまでの物が作れた事は感嘆以外の何物でもありません。この時計もプラチナケース仕様となっておりますが、全てにおいてその技術力の高さに驚くばかりです。 文字盤の一つ一つの丁寧な作りは全てを見ずとも芸術に値するものとさえ感じます。今日コンピューターを駆使して作られる現行品に比べますと、人がここまで作れる技術の方がはるかに上である事が伺い知れる逸品の一つかと思います。
