Description
1930年に市場に送り出されたロレックス社の自動巻腕時計は世界に先駆けてその精度、耐久性、実用性において実に安定的に世界の消費者に受け入れられてゆきました。 最初期の通称”バブルバック”と呼ばれる自動巻きモデルは40年代、50年代とロレックス社の自動巻き腕時計は正にその市場の中心的存在になりました。 1940年代には次世代の自動巻きキャリバーの開発にロレックス社は着手し、1950年代に時計の大型化の兆しを受けて、早くも新規キャリバーの開発に成功し、カレンダー機能搭載モデル(その後のロレックス社の主要モデル、デイトジャストのプロトモデル)を少し機械自体を大きくすることで具現化し、次世代キャリバーで通称”セミバブルバック”と呼ばれる2期目のキャリバーが完成しました。 このモデルREF.6332はセミバブルバックの初期型となります。 1954年製造のこのモデルは、セミバブルバックの中では当時で云う少しモダンなケースデザインと文字盤デザインの自動巻きモデルとなります。 バブルバックの時代からケースのサイドは丸みのある曲線デザインが特徴でしたが、このモデルはケースサイドが切り立ったようにフラットとなっており、文字盤もブラックミラー(鏡面光沢)仕上げとなっております。文字盤中央に円形の段さを付けそのトップ面の外周に分の単位の目盛りと夜光塗料のポイントを配し秒の単位が見やすくなっており、インデックスのトップがかなりシャープに尖った形で上面がかなり鋭角にフラットなカット仕上げ面となっております。文字盤自体が外周に向けて湾曲して下がっているのに対してインデックス面がフラットに鋭角にカットした鏡面になっているところもコントラストな仕上げとなっており、細かなデザイン上の工夫が垣間見られます。 全体に経年変化は見られますが当時のままのとても良いコンディションとなっております。