説明
１９００年代の初頭に、アールヌーボーからアールデコへの移行期にジュエリーデザインとしてはダイヤモンドとプラチナを加工素材として使用した白と黒を基調としたデザインが流行致しました。 黒は装飾にエナメルやオニキスを使用、枠素材はプラチナやホワイトゴールド、装飾用の石にダイヤモンドを使うことに因ってヨーロッパの沢山の老舗ジュエリーブランドが殆どこの素材を基調とした装飾品が数多く作り出されました。 もちろん装身具として成長を見せていた腕時計の分野でもそのような装飾は随所に取り入られてゆきました。 この時計はそのような中で産まれた婦人用のカクテルウォッチ（貴石を多く使用することに因って装飾性を高めたブレスレットタイプの時計をそのように呼んでました。）が社交界では主流になりました。要は女性であっても普段使い用と夜のフォーマル用とが区分けされていった訳です。 この時計もメーカー名の刻印もプリントもありませんが、そのような背景で作られた婦人用のフォーマルウォッチです。文字盤はサンバースト仕上げ（中央から外側に光が広がるような彫模様）でケースに３８個のダイヤモンド、ブレスレット部分に５５個で合計９３個のダイヤモンドが使用された豪華な仕様となっております。
