説明
ブライトリング社は１８８４年スイス・サンテミエという小さな村から創業した時計メーカーで、創始者のレオン・ブライトリングは当初、当然懐中時計から製造を始めましたが、積算機能付きモデルと後の航空機時代にパイロット用計時機能付きクロノグラフの開発においてはスイスでも屈指の専門分野へと確立する軌跡を歩みました。 同社の時計は正にパイロット用として後に開発された、クロノマット、ナビタイマー、コスモノートと今日まで継承される多くのモデルを輩出しております。
この時計はそうしたブライトリング社の専門性の時計をベースとして作られた数の少ないモデルの一つで、ロレックス社、オメガ社等が専門分野としての「防水モデル」＝ダイバーモデルを海洋開発、海洋資源の研究等海洋分野における需要の拡大に対して的確にこの分野のモデルとしてより一層の防水性担保の為の防水ケースを構築していった１９６０年前後に、ブライトリング社としてはどちらかと云えば航空産業を中心としたモデルを充実する方向に舵を切っていましたが、やはり専門性の高い分野の一つとして、先進メーカーより少し立ち遅れた感じで強化防水モデルを少量作っておりました。このスーパーオーシャンモデルは高級路線であった自動巻きトランスオーシャン（空）に追随する形で防水モデルとして作られた最初期のダイバー系モデルとなります。特にこのモデルは防水モデルと得意分野のクロノグラフをミックスしたとても珍しいモデルとなります。同メーカーのデザイン部門のセンスと面白さを合わせ持っていた事を示すものなのか、当時としては実に斬新な形の文字盤デザインとなっております。今日に至っても当時のこのスーパーオーシャンシリーズに見られるこの文字盤の斬新製と特異性は、今までに作られたあらゆる防水系モデルの中でも大きなデザイン的特徴を有するものと云えます。
このモデルは同モデルのリューズが通常の非防水形状のリューズ仕様となりますが、この時計はケースから大きなチューブパイプが伸び、その内側にねじ切りがしてあり、リューズ側のねじ切りとでパッキンを挟んだ捻じ込みロック式となった大変珍しい仕様となっております。文字盤もブラックミラー仕上げで大きなダメージのないとても良いオリジナルコンディションとなっております。 ステンレスのメッシュブレスレットは社外品となっておりますが、当時の同社の標準仕様もこのメッシュ系ブレスレットでした。
