説明
１９０７年、ロンドン・デュークストリートにアルフレッド・ダンヒル氏によって葉巻、刻みたばこ、パイプ等の喫煙具の専門店として創業されました。時計との出会いは、元々父親がやっていた馬具製造卸業の跡を継ぐことになった為、その延長線上の馬からモーターカーへとの移行期も相まって車のアクセサリーとしてのダッシュボードクロックに端を発したと言われております。 ダンヒル社で時計との兼ね合いで最も有名な物と言えば、オイルライターの持ちて部分に時計を組み入んだライターウォッチかと思います。 何れにせよダンヒル社は創業間もない段階から時計を商品として企画販売していた会社となりました。 腕時計の販売も以外に早く１９２６年に初めて腕時計の販売を開始しました。 １９３０年代のダンヒル社の主力商品として、キャプティブウォッチと呼ばれる時計開閉型携帯用デスクウォッチも発売していました。 また、ダンヒル社が服飾衣料も含めて身近な生活雑貨全般を扱う総合店となった後も、腕時計はダンヒル社の伝統として販売していました。 今日でもその伝統は受け継がれています。
この時計は正にキャプティブウォッチと呼ばれた携帯用置時計です。 両端の飛び出し部分を左右から押さえると中央の扉蓋が開き、内側の時計部分を持ち上げると両開き扉によって時計が固定され、そのままデスクに置けるような仕組みになっております。 文字盤のデザインは夜間でも針と時間が分かるように全て夜光塗料仕様となっております。 この時計自体はダンヒル社のものに限って云えば、全てタバン社による製造となっております。タバン社は１８６２年創業の老舗時計メーカーで創業地に因んでTAVANNES＝タバンを当初のメーカー名として使用しておりましたが、フランス語のCIME＝頂点という言葉をもじってCYMAブランドとして早くから海外輸出をしており、丁度ダンヒル社が時計を扱い始めた１９２０年頃はスイス・ラショードフォンの時計メーカーで工場生産を展開し、また海外にも多数時計を輸出する力を持った時計メーカーに成長していました。当時懐中時計や腕時計、または変わり種の時計を製造する事で定評があった会社ででした。 使用傷はございますが、文字盤も含め当時のままのオリジナルコンディションとなっております。
